平成30年度パートナーシップセミナー
第1回 相手をもっと深く理解したいから♪
「”言わなくてもわかって”問題をのりこえるためにできること」開催レポート
平成30年11月3日(土・祝)13時30分~16時00分
「疲れているのにどうしてわかってくれないの」「やってあげたのにありがとうの一言もない」
些細なスレ違いからパートナーと喧嘩をしてしまうことはありませんか?
そんな“言わなくてもわかって”問題を解決し、“最強のふたり”になる第一歩!
パートナーシップセミナー第1回は平田香苗さん(パーソナルコーチ/システムコーチ)をお招きし、
ワークを交えた講演を行いました!
―はじめにー
セミナーは平田さんのとても元気な挨拶と自己紹介から始まりました。

まず、最初のワークは参加者の自己紹介ならぬ「他己」紹介。
4人組になって、相手のペアに自分のパートナーを紹介します!
自分のパートナーの好きなところ、素敵なところを相手のペアに伝えていきます。
皆さんお互いに初対面であることもあって最初はぎこちなく遠慮がちでしたが、2回、3回とペアを変えていくと、会場の雰囲気も徐々に和やかになっていきました。
人間は相手の欠点や不完全なところに目が行ってしまいがち…。
だからこそ相手のいいところや素敵なところを意識して見つけるということがすごく大事なんです。
パートナーの素敵なところ、好きなところを口に出して伝えるのは照れくさいかもしれませんが、いいところは是非お相手の顔を見て伝えましょう!
それが関係性を良くする秘訣なのだそうです。
―“言わなくてもわかって”問題はなぜ起きる?―
緊張も解けたところで、本題へ。
“言わなくてもわかって”問題がなぜ起きるか?
前提にあるのは
-
自分に起きている事を伝えなくても相手が把握している
-
起きたことに対し、相手も自分と同じように感じたり考えたりする
と、思っているということ。
しかし、人は同じ事象を見ているように見えてその実、それぞれが見ているもの、感じているもの、考えていることは異なっているもの。にもかかわらず特にカップルの間では、人それぞれ「違う」存在であるという意識が欠落しがち…。
自分にとっての当たり前が、相手にとっても当たり前とは限りません。
自分の置かれた状況や、思っていること、お願いしたいことをきちんと相手に伝えることが大切なのです。

―伝えた方が良い事は頭ではわかってるー
思っていることを伝えた方が関係性が良くなるのはわかっている!わかっているんだけど…
なぜ、なかなか口に出すことが出来ないのでしょうか?
それは、関係性がよくなると思って相手に伝えたら、余計関係が悪くなったという苦い経験が過去にあり、
「言うと余計関係が悪くなるから、これは言わない方が良いだろう」と思い、黙ってしまうのです。
では、黙っていたら関係はよくなるでしょうか?
答えはNo。黙っていても関係が良くなることはありません。
「じゃあどうすればいいの?!」と思いますよね。
解決の鍵は、相手に思いを伝える時に“関係性を悪化させる要素”が入っているかどうかー。それこそがふたりの関係性の分かれ道!プラスに向くのか、マイナスに向くのか…。
“関係性を悪化させる要素”とは…
関係性を悪化させる要素は4つー「四毒素」と呼ばれています。
この四毒素、やっかいなのは実際に自分が相手に対してやっていることを自覚しにくいということ。
今回のセミナーではこの4つの要素を探求してゲーム感覚で遊んでみました。
まずは四毒素の中から自分が探求してみたい毒素を選びます。
そして4つのグループに分かれ、探求ワーク開始!
平田さんのハツラツとした声にひっぱられるように、会場の雰囲気もどんどん盛り上がり、皆さんとても楽しそうな様子でした。
ワークの中で「あ、これは自分もやっているかも…」と普段の生活の中では気づかなかった発見もたくさんあったようです。
「毒素を探求する」というちょっと不思議なワーク。
相手を変えようとすることはとても難しいことです。
自分が変わること、自身を改善することがスタートライン。
自分の状況、思っていること、お願いしたいことを相手に伝えるときは、4つの毒素を含めずに、上手にリクエストするということが、“言わなくてもわかって”問題を乗り越えるポイントです。

―お互いの違いを理解する―
日頃から互いにパートナーの情報(〇〇が好き、△△が嫌い等)を持っていれば、
“言わなくてもわかって”問題を乗り越える近道になります。
お互いに情報交換をして、お互いの人生や生活に関する最新情報をゲットしましょう!
変わってない部分、変わっている部分…もしかしたら新たな発見があるかも?
出会ったころとは違うものを好きになっていたりするかもしれません。
常に最新情報にアップデートできるよう、ふたりで会話する時間を作ってみましょう!

―人によって愛情表現が異なるー
自分のパートナーはどうして「そんなこと」で機嫌をそこねるのか、疑問に感じたことはありませんか?
自分のパートナーはどうして私がして欲しいことではなく「そんなこと」をするのか理解できない、と思ったことはありませんか?
なぜそのようなすれ違いが起きるかというと、相手と自分とではその愛情表現が異なっているからです。
例えば、日本語で「愛している」と言われれば理解が出来る。
英語で「I love you」と言われれば、「愛している」と言っているとわかる。
けれど、スワヒリ語でなにか話しかけられたときにそれが「愛している」と言っているとわかるでしょうか?
スワヒリ語を学んだことがなければ…わかりませんね。
実はふたりの間で、これと同じようなことが起こってしまっているのです。
愛情表現の“言語”が異なっていると「あなたの愛情や思いやりが相手に」「相手の愛情や思いやりがあなたに」
伝わらず、それどころか逆にケンカになってしまうことも。
称賛や感謝、励ましの「言葉」に愛情を感じる人もいるし、一緒に過ごす「時間」を大事に思う人もいます。
ここで、パートナーと「お互いの愛情言語を知ろう!」のワーク。
ご自身は、どのような“言語”でパートナーへの愛情を表現していますか?
カップルであっても人それぞれ、愛情を感じる“言語”が違う場合もあります。
なかなかパートナーとの間で「こういうことをしてくれると愛情を感じる」と話す機会はないと思います。
日常の何気ない一言が相手の心に響いていることを知ったり、一緒にご飯を食べることが大切だということがわかったり…、ワークの中でたくさんの発見があったようですね。

―最後にー
最後はパートナーへメッセージカードを書きました。

今日のセミナー、ワークを通して2人の関係性について再認識したこと、また、「えーっ、そうだったんだ…!」というような新鮮な驚き、発見について伝え合う時間を持ちました。
パートナーにメッセージカードを渡しながら、普段よりもゆっくり話ができたのではないでしょうか。
「”言わなくてもわかって”問題というのはネガティブな感情を伝えるときに発生するように思われがち。でも本当に大事なことはあなたの事をすごく大切に思っているよ、こんなことにすごく助かっているよ、という相手へのポジティブな感情について、“言わなくてもわかっているよね”ではなく、しっかりと肯定的に相手に伝えていくことです」と、平田さんはセミナーを締めくくられました。
まずは、手間はかかるけれど「おっくうからずに話すこと、伝えること」が、“言わなくてもわかって”問題の解決の第一歩になるのではないでしょうか。
―質疑応答―
質問者:どうしてもパートナーを変えたいという気持ちがある。急に変わることはできないと思うので、ゆっくりと変えようとしているんですが、それは良い事でしょうか。
平田さん:「相手を変えよう」と思っている間はうまくいきません。喧嘩をする時って、実はとても些細なことがきっかけなんです。例えば、海苔を食べる時に醤油を片面につけるか、両面につけるか…とか。それはお互い育った家庭環境や、ご両親に注意されてきたことによって違ってきます。どちらが正しい、間違っているではなく、ふたりの家族の“文化”をブレンドして新しいルールを作っていくのがいいですね。
質問者:家事、育児、仕事で夫婦の時間があまり取れず、お互いの予定を把握しきれていません。他のご家庭ではどのようにコミュニケーションをとっているのか知りたいです。また、専門家から見てどうすればいいのかアドバイスが欲しいです。
平田さん:家事分担に関しては誰が何をやっているか(グラフやリストを作って)“視える化”してやってみるといいかもしれませんね。
参加者からの回答:アプリなどを使って、共通カレンダーを作ってみたらどうでしょうか。家事分担のアプリもあります。
―参加者の声―
◆ゲームのように身体を使って表現することによって、自分を客観的に見ることが出来ました。
◆他の人と話す機会が多く、他の意見を聞けて話ができたのが一番良かったです。
◆互いの“ストライク言語”が違うことがわかってよかったです。
◆自分の行動に気づくことは難しいけど、その方法が分かって良かった。
◆日常では気づかない相手への接し方や話し方を意識するきっかけとなった。
◆適度な聞く時間とディスカッションを織り混ぜての、あっという間の講演で楽しかったです。
参加出来て良かったです。ありがとうございました。 (アンケートより一部抜粋)