平成29年2月25日(木)13:00~17:30
◆ 第5回「ブラッシュアップ講座」&「交流会」
講師:林紗矢香(Lyrique design office 代表)
ファシリテーター:木内宏美(株式会社チェンジメーカーズ 代表取締役)、横田響子(株式会社コラボラボ・女性社長.net企画運営 代表取締役)
交流会軽食提供ゲスト:秋山直美(株式会社 COOK ART 代表取締役)
1)オープニング
横田響子さんから女性社長.netについての簡単な説明の後、今回の講師、林紗矢香さんについてのご紹介がありました。
林さんは当初、在宅でできるフリーランスのデザイナーとして起業し、その後、自身の店舗を立ち上げた女性起業家です。
キャリア継続を望んだもののお子様の病気で会社員として働くことが難しくなり、フリーランスを選択。その後、一家の大黒柱として家計を支えることのできる収入確保に至るまでの豊富なご経験をお話していただきました。
2)ブラッシュアップ講座:林紗矢香さんによるレクチャー
3人のお子さんを育てつつ、デザインオフィスを手掛ける女性起業家である林紗矢香さん。林さんの起業ストーリーは、フリーランスのデザイナー、店舗の出店、新たなビジネスモデルとし新店舗展開の三段階に分けられます。
★第一の起業―長女の入院と自身が次女を妊娠していたことで、育休を取った会社に復職できなくなったことからフリーランスでの活動をスタート。在宅でできる仕事としてデザイン事務所を立ち上げました。
★第二の起業―店舗でマタニティウェア販売を開始。
離婚を機にフリーランスだけの収入に頼ることに不安が生じました。新たな収入源を得るため、産前産後の心身ともに疲れているママ達に「かわいい!」と元気になってもらえるようなマタニティウェアの販売がしたいと思い、店舗立ち上げを決意。自店舗でマタニティウェアと授乳服、ベビードレスの販売を手掛け、量販店のメーカーからデザインの受注も請けています。
さらに、他社の商品やサービスを自社のお客様にPRする広告事業や、ママ向けの、既存のものとは一味違ったコンテンツのフリーペーパー発行も行っています。
★第三の起業―さらに店舗を移転。新しいビジネスモデルでの出店を進めています。
地域の子育て情報発信の拠点となるために、市役所などの公的機関と連携。オリジナルデザインのマタニティウェアを手頃な価格で提供するために、アパレルの店舗を情報の発信拠点とすることで付加価値を高め、マーケティング事業での収益力アップにも力を入れていく予定です。

多様な形態での仕事を経験し、これからも進化を続ける林紗矢香さん。
「起業して良かったと思う点は何ですか」という問いかけには、
「ライフステージに合わせて柔軟に仕事を作り出せることこそが起業の醍醐味。それを味わえたことですね。」と、笑顔でお答えいただきました。
3)ワークセッション
ブラッシュアップ講座の目的は、個々に考えてきたビジネスアイデアを受講者同士で共有し、互いにブラッシュアップする(磨き上げる)ことです。
ビジネスアイデアの共有に先立ち、ファシリテーターの木内宏美さんより、ビジネスモデルをブラッシュアップさせるための3つのヒントについて解説をいただきました。
① 社長視点を身に着けること
起業する上で大切なことは、ビジネスをいろんな角度から見ることや、「社長視点」を身につけること。例えば、レストランに入ったとき、ただ漫然と食事をするのではなく、「このお店の固定費はいくらだろうか」、「誰がダーゲットだろうか」、「回転率はどのくらいだろうか」などの疑問を持つクセをつけることは、起業を目指す者にとって大変重要です。
② 小さく事業を始めるコツ(3つのステップ)
Step1:小さく始める(ボランティアで事業を行うことや、とりあえず考えていることを発信してみること)、
Step2:少し手を広げる(何人かに無料体験してもらう、昔の同僚やお客様に連絡してみる等)、
Step3:本格的に始める(サービスの料金表をつくる、自社のHPをつくる等)、という具合です。
③ 事業を軌道に乗せるまでの9ヶ条(内5項目を抜粋しました)
・金銭感覚を変える。
‐固定費は徹底して減らす/購買は投資
‐税金を考える(あとから出ていくお金をあらかじめ想定する)
・できるだけ法人顧客/継続顧客をもつ。
・よきアドバイザーをもつ。
・ピンチもチャンスも愉しむ。
・協力してもらったらちゃんと報告する。感謝する。
今後の起業に向けて、有意義な情報満載のレクチャーでした。
6人1グループで自己紹介の後、1人2分の持ち時間で、用意してきた事前課題(※)を発表し、互いにフィードバック。良いなと思ったところは赤い付箋、コラボ・協力できそうなところは青い付箋と色分けをしてコメントを書きました。
※事前課題・・・参加者各自が、自身の「今後形にしたいビジネスアイデア」を、文字・絵・コラージュで可視化したワークシート。

客観的なフィードバックによって、気づいていなかった自身の強みや、事業展開へのアイデアを得られたようです。
たとえばスポンサー獲得の方法や他の類似事業と差別化するアイデア、ひとつの事業に対して10以上のアイデアが貼られるなど、受講者同士で大いに盛り上がりました。
最後に、各グループ内で最も付箋(フィードバック)の数が多かった人のビジネスアイデアをホワイトボードに貼り出し、受講者全員で共有。皆さん真剣な表情で、発表者の話に聞き入っていました。希望される方のビジネスアイデアも追加で貼り出し、受講者同士で更にフィードバックが続けられました。

4)交流会
続いては受講者とゲストの交流会です。
ブラッシュアップ講座講師の林紗矢香さんに加え、トーク講座②(1/28)講師の南まゆ子さんも参加。
また交流会ゲストの秋山直美さんより、軽食「デコもち」&「飾り巻きずし」が提供されました。
ペンギンや薔薇のデザインの軽食に、思わず『かわいい!』、そして『おいしい!』の歓声が。
秋山さんから料理で起業をした経緯などのご紹介もあり、皆さんその起業ストーリーに興味津々の様子でした。


交流会の最中にも、ブラッシュアップ講座で使用したビジネスプランがホワイトボードに掲示され、参加者はお互いのアイデアについて、自由にフィードバックの付箋を貼りつつ、活発に話し合っていました。
参加者からは、「自分では何もできないと思っていたけれど、お客様は誰なのか、いくらで売るのか等、具体的に書いてみると、意外と自分にもできることが分かり、何から始めればよいかイメージができた」という声も。
ただ交流するだけでなく、起業アイデアについてお互いに感想やアドバイスなどを出し合うことで、アイデアのブラッシュアップができたようです。
掲示されたビジネスプランを見ると、青い付箋(コラボ・協力できそうなところ)が特に多く貼られており、中には付箋とともに名刺を貼り付けている人もいて、今後の参加者同士のコラボレーションや、交流が期待される会となりました。
交流会の最後には、受講者同士で「今後も継続的に集まりたい!」と意気込む声も。
SNSなどを通じ、更なるアイデアのブラッシュアップが続きます。この縁が、実際に起業する上での一助となりますように・・・。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!!

アンケート感想(一部)
・皆さんのアイデアや考え方を知ることができてとてもよかったです。
・付箋で「いいね!」をもらえると励みになります。
・色々な種類のビジネスモデルを知り、自分の可能性の広がりを感じました。
・全く動きが無かった自分の意識が活性化され、具体的に動いてみようと思った。
・自信のないアイデアだったが、勇気づけてもらえてよかった。
・厳しいお話も聞けて良かった。リアルに起業の厳しさもお話いただけたのは貴重だと思いました。
・ビジネスモデルが固まった。やる気に満ち溢れている方々のお話を沢山聞けて、とても刺激になりました。
・「自分の考えをまとめる」きっかけになりました。
・自分のビジネスプランが具体的になり、参加して良かったです。
・起業についてまだぼんやりとしたイメージがある程度だったのですが、本会に参加して皆さんのお話を伺い、具体化していく一歩になりました。背中を押してもらいました。