笑顔で働き続けたいママへの応援プログラム     第2回開催報告

 平成28年1月24日(日) 12:00~14:30
  当日の流れ
   -田中俊之氏による講演
   -ワークショップ【前半】~“笑顔で”働き続ける時の周りとの課題~
   -ワークショップ【後半】~ワタシたちらしいチームづくり~
   -各チームによる発表

 1月24日(日)、38名の参加者が集い、「笑顔で働き続けたいママへの応援プログラム」の第2回を実施しました。
 前回は働くママ自身が抱える問題全体に目を向けましたが、今回は「周りの人」に焦点を絞って考える時間を持ちました。男性であるが故に抱えてしまう問題を扱う学問『男性学』の第一人者である田中俊之氏による講演と、その後のワークショップを通して、周りの人との上手な関係の築き方について深く考える機会となりました。

               

 まずは、最近パパになり育児生活がスタートした田中俊之氏による講演です。

 働くママが抱える悩みに、育児と家事をパートナーとシェアできないことや、男性の上司や同僚の理解を得られないことがよく挙げられます。「このような環境の中、女性が働くにはどうしたら良いのか?」「男性に変わってもらうにはどうしたら良いのか?」そんな疑問に、田中氏が様々な角度から現状を分析し、これからの打開策を提示してくれました。

 講演の中で、「そうだったのか…」と参加者が一番反応したのは、男女では育った環境が異なっているが故に、ライフステージの捉え方とコミュニケーション手法が異なるという指摘でした。
 田中氏のお話によると、男性は幼い頃から誰かと競争すること、常に心身ともにたくましくあること、家族を支えることが“一般的な男性像”であると意識づけられてきた結果、仕事では出世して家族を養うことが当然であると自然と考えてしまうのだそうです。そしてその意識に加え、男性は長時間労働をしないと評価されにくい状況にまだまだ置かれているとのこと。男性がいくら家事や育児をしたいと願ったとしても、それが叶わない要因となっているようです。
 この大きな問題を解決するために大切なのは、男女問わず、結婚するか否か、仕事をするか否かなど、どちらの選択をしても決して非難されることの無い社会にすることだと述べていました。社会全体の意識が変われば、家事や育児、そして男性も直面する介護問題の解決に結びつくとのこと。

 「女性だから子育てして当たり前」という古くからある考えが問題視されているように、「男性だから働いて当たり前」という考えも社会全体で変えていく必要があると気付くことができた講演内容でした。
 そして、「男女ともにお互いの違いを認識し、そして歩みよることで関係性をより良いものにしていくことができる」という田中氏の言葉に、今日から早速取り組んでみようと前向きな気持ちになることができました。

               

 田中氏から男性について学んだ後は、5グループに分かれてワークショップの時間です。今回は以下の3ステップで、周りの巻き込み方を具体的に考えました。

1.笑顔で働き続けようとしたとき、周りの人との関係や今ある制度や社会の仕組みの課題はなにかを挙げる
2.その課題の何が問題か、どうしたら解決できるかを考える
3.「うまく周りを巻き込むための心得」をグループでひとつ作る

 主に挙げられた課題は「ママとして働くことに対する職場内での理解が得られない。」「(子育てをする際の)家族以外のサポートがない。」「夫と上手にコミュニケーションがとれない。」など、やはり仕事、育児、パートナーシップの3方向に広がりました。

               

 そして、その課題に対して、グループごとに出てきた「うまく周りを巻き込むための心得」は次のようになりました。

Aグループ「心得:失敗から学ぶべし!」
-仕事だけの人生を続けることで、どんな「失敗」が待っているのかを社会全体で共有したら、働き方もママへの理解も変わるのではないか?!

Bグループ「心得:大家族のように育てるべし!パパママシェアリング」
-ママもパパもひとりで子育てを抱え込むことから解放されるための繋がりをつくろう!

Cグループ「心得:上司と未来を共有すべし」
-仕事量を調整しながらでも、やりたい事に挑戦し続けるためにも手をあげてみよう!

Dグループ「心得:日々気持ちよく働くために社内外にも応援団をつくるべし」
-仕事も生活も精一杯がんばっていることを理解してくれて応援してくれる人がいると、きっと笑顔になれる!
 (応援してもらえるためにも笑顔が必要。相手とのコミュニケーションも大切)

Eグループ「心得:夫と自分は違って当たり前。自分とは違う存在と思って丁寧に対話をすべし」
-分かってくれるものと思うからイライラするのかも?!
 違う思考回路を持つ人間と理解をして、愛をもって話してみよう!

 これらのワークショップを通して、自分の意識を変えて行動することで周囲に理解者をつくっていく方法と、社会全体の考え方を変えることで男女間の意識の違いを無くせたらと願うママの希望が見えました。
 どの心得を見ても、働くママが抱える悩みや課題を解決できそうなアイディアばかり。今から変えていけるものもあれば、時間はかかっても実現したいものまで多様な内容となりました。

               

<田中俊之氏の講演に対する感想>

  • 「男性学」からのお話でしたが、中高年男性のダメなところや、コミュニケーションの取り方など、自分にもあてはまる「ダメなところ」をたくさん発見できました。仕事・家庭ともに「男性的なダメなところ」を意識して勉強しながらこれからも精進します。
  • 男性の視点で体系だって男性のことをきくのは初めてだったので、とても新鮮でした。男性も、自分自身でこうなりたいと思ったのではなく、社会的な産物だなぁと思うと、少し夫や職場の男性を見る目が温かくなりそうです。
  • 息子2人に「男らしさ」を押しつけないよう育てたいと思いました。
  • 男性学というのがこんなにおもしろいとは思わなかった。育児・家庭だけでなく、社会の半分を占める男性を理解するのが人生を楽しむ近道なのかもしれないと思った。
  • 夫との会話のすれ違いの原因を論理的に説明してもらえて、スッキリした。

<ワークショップに対する感想>

  • 前向きな話をたくさんできて自分自身がさらに前向きになれた気がします。
  • とてもインタラクティブで面白かったです。こんなワークで元気に明日からも働けるのであれば、日頃からもっと近くのママとカタチにしていきたいと思いました。
  • 夫婦関係はプライベートなことなので、普段他の人の話を聞く機会が多くなく、今回はとても貴重でした。正解は一つではないと感じました。
  • 結局は「誰もが人間として無理がない働き方ができる社会」を目指すことがママだけではなくパパや子どものいない人、独身者を幸せにできる手段だと思います。ただ、社会は簡単には変わらないため、社内外での子育て応援団が直近は必要だと思います。
  • 「仕事の量の調整 やりたい仕事へのとまどい」私自身が時間の制約と仕事のやりがいの間で悩んでいるところだったので色々な方の意見が聞けて良かったです。(やはり、思っていた以上に意見が違うように受け取りました)自分自身が気持ちよく仕事をするために近いところからコミュニケーションとっていこうと思います。

 次回は、「これからできること」というテーマのもと、自分たちの力で変えていくためのアクションプランを考えていく予定です。ここに集った働くママの力で、何かを変えていけるように団結してがんばります!

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