起業女子全力応援交流会              平日クラス第1回開催報告

 平成28年2月2日(火) 10:30~13:30
  当日の流れ
   -スイッチオンワークショップ
   -ゲストトーク H.O.W 柿原優紀さん、エシカル協会 末吉里花さん
   -ユニークさ深掘りワークショップ
   -クラスの交流会

 起業女子全力応援交流会初日となる2月2日の朝10時半。1歳以上のお子さんは保育室へ、0歳の赤ちゃんはお母さんと一緒に、のスタイルで、10時半に、25名が集まりました。今回の事業は多数の申し込みがあり、平日・土日クラス全体で3倍以上の応募に当選された皆さんです。

 2日間の平日クラスは、鋭い感覚や面白い視点・経験を生かして仕事をつくろうというクラス。初回のテーマは、「新しいアイデアからビジネスを生み出す」です。
 ゲストにお迎えしたのは、「Happy Outdoor Wedding」の柿原優紀さんと、一般社団法人エシカル協会代表理事でフリーアナウンサーの末吉里花さんです。

 まずは、参加者全員の自己紹介でスイッチオン。今どんなことをしていて、どうしてここに来たのか。1人持ち時間20秒でしたが、ライフステージの変化とともに、自分の生き方のヒントを模索したいという熱気が伝わる自己紹介になりました。

     

 次に、ゲストトーク。ゲストのお二人が、どういう経緯を経て、現在のビジネスに至ったのか、お話をしていただきました。

               

 柿原さんは、今、日本各地の地域空間や地域資源を活かした新しいウェディングの形を提案する仕事をされています。美大へ進学し、留学、放浪。旅、ライフスタイルを取り扱う雑誌に関わり、28歳でフリーランスとなりました。フリーランスでこなせる仕事量に限界を感じた頃、チームで動けるよう会社化。編集業の傍ら、自分の持っているスキルを使ってアウトドアウェディングのHOW TOを公開、紹介するサイトを作りました。

               

 柿原さんは語ります。

− きっかけは、ある種の“違和感”でした。日本の結婚式に、もっと選択肢があってよいのではないか?調べてみると、日本の挙式率は4割を切っていて、6割の人は挙式をしていないことがわかりました。理由は、自分の思い描く理想の結婚式が今の結婚式場のサービスにはないこと。また、地方は過疎や高齢化、地域産業の縮小によって婚礼事業者が撤退してしまい、そもそもその地域に婚礼事業者がいないことでした。

 そして、私に1つの疑問が生まれます。「結婚式って、商品である前に文化だよね?」と。「文化であるはずの結婚式が、お金が足りないとか、やりたいことができないのでやらない、では寂しいな。」その思いが、原動力になりました。公園でも、畑でも、場所があれば自由な発想で結婚式をD.I.Yすることができる。そんな発信を始めました。

 こうして立ち上げたウェディング事業は、創業費用わずか1180円!ライティング、企画は自分で。1年間は発信のみでした。やがて、「お金を払うので、一緒に結婚式を作ってほしい」という依頼が、新郎新婦から、その友達から、自治体から、舞い込むようになりました。 −

               

 末吉さんは、現在フリーアナウンサーとしてのお仕事の他、エシカル協会の代表理事として、フェアトレード、エシカルな消費を伝えることをライフワークとし、大学、高校、企業を訪問して話をしたり、生産地を巡ってその様子を映像、雑誌、メディアに掲載するお仕事をされています。

 今でこそ、エシカルにまつわるお仕事をされている末吉さんですが、女子大生時代、そして、テレビの世界に入ってからの華やかな日々は、「エシカル」とはかけ離れた、「矢印(ベクトル)が自分に向いた生活」だったそうです。

 そんな末吉さんのライフスタイルや考え方の変化につながっていったのは、TBS「世界ふしぎ発見」ミステリーハンターでの10年間のレポーター経験でした。

 末吉さんは語ります。

− 私は、秘境班のメンバーとして世界の様々な場所をめぐっていく中で、世界の一部の人の消費活動が、自然環境、地球環境を壊すことにつながっていることに“違和感”を感じました。
 シベリアの、とある村を訪ねた時、永久凍土である大地が温暖化でやがて傾き住めなくなること。キリマンジャロへ登頂したときに見た山岳氷河が、もともとは一面の氷河地帯だったのにも関わらず、今はわずか一部しか残っておらず、消えゆくものであることを身をもって痛感したこと。登頂を目指した道中で、氷河を守るための植林活動をしているアフリカの子どもたちに出会ったこと。

 これらの経験で感じたことを「伝えねば」という思いに突き動かされました。

 そして、自分で、港区のエコプラザという小さな場所でフェアトレードに関する勉強会を始める形で、発信を始めたのが、今の活動に至るきっかけでした。 −

               

 お二人のお話を聞いた後は、ファシリテーターの自由大学 和泉里佳さんを交えた質問セッションを行いました。
 「新しいアイデアが生まれる状況ってどんな状況でしょう?」
 「アイデアをどう育てる?どうカタチにしていく?」
 「自分のユニークさはどこにあると思いますか?」
 「自分で仕事をつくるスタイル、やっててよかったことは?」
 参加者の皆さんからはこんな質問も。
 「やりたいと思って、実際にやるまでの時間軸はどれくらい?」
 「何をするときにいちばんワクワクしますか?」

 1つ1つの質問にテンポ良くお答えいただきました。
 そんなお二人の共通点は、起業のきっかけは“違和感”であったこと。自分ができる範囲でスモールスタートしたこと。スモールスタートしていく中で、仲間やファンが現れ、事業として肉付けされていったこと。自分で仕事を作れるからこそ、納得した仕事ができると感じていること。
 皆さん熱心にメモをとられていました。

 そして、ここからは「ユニークさ深掘りワークショップ」。
 参加者の皆さんが手を動かし、ワークをします。今回のワークショップはキャリアと強みの棚卸しの位置付けで、自分のユニークさを深掘りしてみようというもの。参加者は付箋紙に、自分の特徴、長所、思考を自分にとっては当たり前なことも改めてどんどん書き出して、自分に関するキーワードを1枚の画用紙に並べていきました。

               

<過去や環境のこと>
 自分の出身地
 育った環境
 暮らしたことのある街
 家族の特徴(父母、夫など)
 学校で学んだこと

<仕事やこれからのこと>
 仕事でやってきたこと
 身につけたスキル
 得意なこと
 よくほめられること
 趣味、好きなこと
 やってみたいこと
 やりたいこと

 出来上がった「自分の俯瞰図」を4、5人のグループ内に発表してメンバーから感想をフィードバックしてもらいます。自分を客観的に見つめ、深堀りするワークでした。参加者から、「ワークショップで自分の事を書き出してみると楽しいなと思った」「エネルギー溢れる皆さんと棚卸しができ、コメントをもらえて良かったです。もっと深掘りされたいと思いました。」などの声が聞こえました。

     

 最後に、ゲストとともに、まとめの時間。
 「あなたにとって働くとは?」の問いに対し、
 柿原さん「学びも楽しみも与えてくれるもの。自分のアイデンティティを構成してくれるもの」。
 末吉さん「プライベートと働くの境界線がない生活の一部となるもの。それくらい楽しいもの」。
 そしてお二人から、「社会に対して何かしらの思いを伝えていく活動をしようとしたら、“一人の千歩より、千人の一歩”が大切。」「今の仕組みがよくない、というのは簡単、自分たちが生きる時代に、ちょっと変えることができれば、おもしろいことになるんじゃないか。」というヒントもいただきました。

 参加者の皆さんからは、「起業に前向きな女性が多く、勇気をもらった」「産後、自分のことを話す時間が新鮮」「新しいことに挑戦しようとするエネルギーが湧いた」という感想をいただきました。

 その後はクラスの交流会。参加者よりも一足早く起業した起業女子の先輩でもあるフードコーディネーターによるプチ薬膳の軽食を囲みながら、お互いのことを話したり、今日の感想をシェアしたりと、自由に交流しました。

     

 平日クラスの第2回は2月9日。次回は「革新的なモノやコトはどうやって生まれるのか」をテーマにゲストトークとワークショップを行います。

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